宍粟市一宮町には、『古事記』や『播磨国風土記』に記された神々を祀る三つの神社が鎮座しています。
伊和神社(大己貴神)・御形神社(葦原志許男神)・庭田神社(事代主神)。
御祭神:大己貴神(大国主神・大穴牟遅神)
播磨国一宮として、国づくり神話の中心神を祀る大社。
『播磨国風土記』では地名の由来にも深く関わり、播磨全体の信仰の要となっています。
ここに祀られる大己貴神は、出雲の大国主神そのものであり、宍粟の神話の核を成しています。
御祭神:葦原志許男神(大国主神と深く関わる神)
『古事記』では大国主神の異名「葦原色許男」とされ、根の国で須佐之男命の試練を受けた姿が描かれます。
一方、『播磨国風土記』では但馬から来た天日槍(出石神社)と争う独立した神として記されます。
すなわち、葦原志許男神は大国主神と同一とも、また分霊的な存在とも解釈されてきました。
伊和神社の大己貴神と並び、播磨における大国主信仰の広がりを示す神社です。
本殿は国指定重要文化財です。
御祭神:事代主神(大国主神の御子神)
『播磨国風土記』には、庭田神社で初めて「麹(かび)」を使った酒=「庭酒」を造り、神に献上したという日本酒最古の記述が残されています。
事代主神は大国主神の御子であり、国譲りの際に最初に承諾した神でもあります。
伊和神社の大己貴神との血縁関係を示すことで、宍粟の地に「父と子の物語」が息づいています。
この三社をめぐることで、出雲神話の大きな流れを「父・異名・子」という関係でたどることができます。
御形神社社務所
6714112宍粟市一宮町森添280
Tel0790-74-0013 Fax0790-74-0015