兵庫県宍粟市に鎮座する 御形神社 は、
古代神話に語られる「根の国」の試練と再生の物語を今に伝える、
宍粟のパワースポットの一つです。
宍粟市には 伊和神社 をはじめとする由緒ある神社が点在していますが、
御形神社はとくに、
播磨の果て・最奥の地という立地と、
根の国に由来する再生の神話を背景に持つ点に大きな特徴があります。
御形神社が鎮座する宍粟の山間部は、
古くより「播磨の果て」、すなわち国の最奥と意識されてきた場所です。
山々に囲まれ、
人の往来が自然と途切れていくこの地は、
日常の世界から離れ、
内へ、奥へと向かう信仰が育まれる風土を今も色濃く残しています。
その地理的条件そのものが、
根の国へと至る神話世界と重ね合わされ、
御形神社の信仰を形づくってきました。
根の国とは、
古代神話において、
試練を経て生まれ変わるために赴く世界として語られます。
一度すべてを失い、
困難を越え、
再びこの世へ戻る――
その過程そのものが「再生」の象徴でした。
御形神社は、
この根の国神話を背景に持つ神社として、
人生の節目、立て直し、新たな一歩を願う祈りが
静かに重ねられてきたと伝えられています。
御形神社に伝わる蟇目(ひきめ)神事は、
弓矢によって邪気を祓い、
場と心を正すための古式神事です。
この神事は、
単なる厄除けにとどまらず、
乱れを正し、再び歩み出すための祈りとして
今日まで受け継がれてきました。
根の国の試練と再生の思想は、
こうした神事にも静かに息づいています。
宍粟市のパワースポットとして広く知られる伊和神社が、
開かれた信仰、表の力を象徴する存在であるならば、
御形神社は
内へと向かう信仰、再生のための力を伝える神社と言えるでしょう。
性質は異なりますが、
両社はいずれも宍粟という土地の精神性を支える、
欠かすことのできない存在です。
御形神社は、
観光地化されたパワースポットではありません。
しかしその静けさの中にこそ、
播磨の果て、宍粟最奥の地が持つ
深い力と再生の気配を感じ取ることができるでしょう。
人生の転機に立つとき、
立ち止まり、再び歩き出す力を求めるとき、
御形神社は
宍粟の隠れたパワースポットとして、
静かに人々を迎え続けています。
御形神社
所在地:兵庫県宍粟市
御祭神:葦原志許男神
本殿:国指定重要文化財
御形神社社務所
6714112宍粟市一宮町森添280
Tel0790-74-0013 Fax0790-74-0015